遺言は元気なうちに残すもの

遺言に関する事例2ある朝、懇意にしているYさん(60代)から電話が鳴りました。「入院中の夫Xさん(60代)が、遺言の相談をしたいから先生を呼んできて欲しいと頼まれた」というものでした。
私が3時間後に病院に伺ったところ、電話くださった後に、病状が急変したらしく、こちらの呼び掛けにはもう反応がなく「Yさん、残念ですが、この状態では遺言能力はなく、作成は不可能です。」と伝える途中からXさんは号泣されました。
そしてXさんは翌日亡くなられました。
 

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遺言は元気なうちに残すものです。そうでなければ、愛する人を守ることはできません。
Yさんは「ウチの人は亡くなる前日までとても元気で、退院までもうすぐだった。元気になって帰ったら、退院祝いを二人でするんだと口癖のように言っていたのに、亡くなるなんて信じられない」とおっしゃっていました。
1か月前にご夫婦で相談に来られた時、すぐに遺言を書いておいてくだされば・・・。もっと強く、遺言を遺されることをすすめられていれば良かったと、私は未だに後悔しています。
ちなみに御夫婦にお子さんはいませんでしたので、残されたYさんと亡くなったXさんの兄姉との遺産分割協議は避けられませんでした。相続財産は、ご夫婦で住んでいた持ち家と、ほんの少しの預貯金だけでした。その後、Xさんの兄姉とYさんを含めた、「争続」が発生しました。兄姉は、法定相続分どおりの遺産分割を主張し、結局Yさんは住み慣れた家を売却し、今は、賃貸マンションで1人暮らしをされています。

遺言があったなら

【例】『全財産を妻のYに相続させる。』
これだけです。この遺言を元気なうちに遺しておくだけで良かったのです。これさえあれば、兄弟姉妹には、法律上の取分は1円もありません(兄弟姉妹には遺留分は存在しない)ので、Yさんは住み慣れた家に住み続けることができました。
「後1ヶ月早ければ・・・」このような悲劇をくり返さないために、お子様がいない方は、愛する家族を守るために、遺言を遺しておきましょう。

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