親に遺言書を書いてほしいが、どうすれば良いか?

人は誰でも歳をとれば目が見えづらくなってきたり、耳が遠くなったり、また判断能力も低下し、足腰も悪くなってきます。
以前には容易にできていたことができなくなれば気が滅入り、将来に不安を感じるでしょう。
不安になれば自分を大切にしてもらいたいという欲求が強くなり、それが満たされていないと感じれば機嫌が悪くなります。

頼りになるのはお金(財産)しかない、遺言を書けば自分は用済みとなり、誰からも相手にされなくなるんじゃないかと考えるかもしれません。
こうした親の気持ちを理解しないまま、いきなり遺言書の作成を頼んでも親は言うことを聞いてくれないでしょう。

一つ目のポイントですが、上記の事を逆に考えると、親がまだ元気で不安を感じていないうちに遺言書の作成を頼んだ方が良いことになります。
先送りにすればするほど、遺言書を書いてもらうことが難しくなりますし、そのうち認知症の症状が出てきたりすると、たとえ遺言書を作成したとしてもその効力を争われる可能性があります。

二つ目のポイントは、遺言書を作成する具体的な必要性を理解してもらうことです。
もし親が自分の死後のことはどうでもよいと考えているのなら、それは遺言書の必要性を感じていないという事になります。
ですので、できれば子である兄弟姉妹がそろってお願いするのがベストでしょうし、遺言書の必要性を冷静に判断してもらうためにも、できるだけ早いタイミングがよいでしょう。

三つ目のポイントとしては、親の漠然とした不安を取り除いてあげることです。
ただでさえ、遺言書を書いてくれと頼んだら「死ぬのを待っているのか」と思われかねません。
ですので、天寿を全うするまで子ども達に面倒を看てもらえるのだと安心してもらうことが重要になります。
そのためには、親の預貯金を家計と区別して管理したり、預金通帳を定期的に確認してもらうなどの配慮が必要でしょうし、兄弟姉妹が互いに力を合わせて親の面倒を看るという姿勢を見せる必要があるでしょう。

四つ目に、あなたが親の財産を狙っていると勘違いされないように注意してください。
遺言書の作成を頼むとしても、内容は親の自由な意思にまかせて、決して指図したり内容を尋ねたりしないことです。
そして、できれば利害関係のない第三者に相談し、第三者から遺言書の作成を促してもらうのが理想です。
市役所の無料法律相談でも結構ですし、知り合いの弁護士や行政書士がいるならそこで相談してみるのも良いでしょう。

いずれにしても、親と子が話し合い、親に将来の紛争を回避し相続の煩わしい手続きを簡素化するという遺言書の趣旨を理解してもらい、不安を取り除いてあげることが一番です。