• 相続に関する手続き

子のいない妻が死亡した相続手続きを解決

ポイント

預貯金や有価証券、投資信託の相続手続きをしたいというご相談。
子のいない妻が死亡した相続手続きを解決した事例。

お客様情報

50代 夫 T様(会社員)
大阪府堺市西区

ご相談状況

このご夫婦には子どもがおらず、妻が急死。妻の母親はすでに他界されていましたが、父親はご存命でした。
この時点では法定相続人は配偶者である夫と妻の父親の2名だけでしたが、妻の急死から3か月後に父親が他界。ご夫婦ともに遺言書等の相続対策は何も行っていませんでした。
妻の兄弟が2名おられ、このケースの場合、兄弟が相続人になることを初めて知ったようです。

また、相続財産については預貯金などの金融資産のみでしたが、金融機関だけでも15件、有価証券や投資信託、出資金等も含めると20件を超えました。
当初はご自身で各金融機関や証券会社に連絡をし、一つ一つ手続き方法の確認を行っておられたようですが、あまりの煩雑さに断念し、知り合いを通じて当事務所にご相談に来られました。

ご提案と解決

まずは、遺産分割協議をするにあたり正確な相続財産を把握する必要があったので、各金融機関や証券会社に対して残高証明書等を請求することから始めました。
同時に必要な戸籍を収集し、法務局にて法定相続情報一覧図を作成。本件では2回(妻と父親)の相続が発生しているので、法定相続情報一覧図は2枚で1セットになります。
本来、手続き先ごとに戸籍謄本等を提出する必要がありますが、この法定相続情報一覧図は一度法務局で認証を受けると、公的証明として相続手続き全般に使用できる上に5年間は写しが何枚でも無料で交付されます。そのため、今回のように金融機関が多い場合の相続手続きでは非常にメリットとなります。
その後、各金融機関の残高証明書等に基づいて財産目録を作成し、各相続人に確認してもらいました。

今回のケースの法定相続分は、配偶者が3分の2、妻の兄弟が3分の1(亡くなった父親が本来受け取るはずの法定相続分)です。遺産分割協議では、相続人がそれぞれ法定相続分の財産を取得することで合意しました。
当事務所で遺産分割協議書と相続手続きに関する委任状を作成し、各相続人の署名捺印に加え印鑑登録証明書を添付。各金融機関や証券会社等に払戻しや解約の手続きを行い、当事務所の預り金口にすべての相続財産を一本化しました。
相続税の申告期限が迫る中、提携税理士の協力で無事に相続税の申告が完了、当事務所で相続財産の中から相続税を支払い、差し引いた金額をそれぞれの取得分に応じて分配し、すべての相続手続きが完了しました。