• 相続に関する手続き

生命保険と遺言の関係

あなたは、生命保険に加入していますか?

恐らく、殆どの方が、画面の前で頷かれたのではないでしょうか。ある資料によると、全世界の保険の3分の1を日本人がかけているそうです。
それもそのはずで、生命保険の世帯加入率はなんと、87,5%です(このような国は他に見当たりません)。
日本人は、自分に万が一のことがあった場合の対策を考えるのに、積極的な人種といって良いのではないでしょうか。
しかし、こと「遺言」関しては、極端なデータがあります。公正証書遺言を残した人は全国の年間死亡者数108万人のうちわずか6%に過ぎません。一方、遺産分割のトラブルが原因で、家庭裁判所における調停、審判が年間12,000件もあり、1949年に比べて実に10倍になっています(最高裁事務総局編)。

なぜ、このような事態が起こるのか?

これは「財産を遺す側」と「財産を受け取る側」のギャップが原因だと、私どもは考えています。
私の出身は大阪府貝塚市です。田畑が広がり大阪湾に面した非常に美しい町です。私が住むこの地域では、「財産は当然長男が全て相続する」このような考え方が今でも存在します。そのような考え方を否定する気はありません。私自身もその考えに賛同する点はあります。
しかし、個人の権利主義が浸透している現在では、このような考えを押し付けるのは、非常に危険です。
いわゆる「家督相続」の考えを前提とした、「遺言を遺さない」という方法や「長男に全て相続させる」というような極端な遺言を遺してしまうと、「争続」の原因となってしまいます。
「うちの子供達は、けんかするようなことはない。親思いのいい子たちだよ。」私どもがお話をした際に、何百回と聞いた言葉です。このように考える気持ちは痛いほど分かります。私自身も、四児の子を持つ親です。この子達がもめることなど、想像もできません。しかし、遺言を遺さなかったばかりに、家族を不幸にする可能性があるのであれば、遺言を遺すのが、親の役割ではないでしょうか?

遺言の必要性

生命保険だけでは、愛するご家族を守ることはできません。遺言を遺すことによってはじめて、完全な「備え」となるのです。それを怠るのでは、ひとりよがりのマナー違反であるのではないでしょうか。
遺言は、決して難しいものではありません。まずは、ご自身の思いを書き出してみてください。ご不安や、ご心配があれば、ご遠慮なくお問合せください。その一歩が、ご家族を「争続」から守ることとなるのです。